特別支援学校卒業後の進路を考える

特別支援教育

特別支援学校の進路について考え始めると、
「卒業後はどのような道があるのだろう」
「何を基準に進路を考えていけばよいのだろう」
と、不安や迷いを感じることがあります。

進路というと、就職や進学を思い浮かべることが多いかもしれません。
しかし、特別支援学校における進路は、卒業後にどこへ行くかだけでなく、その先の生活をどのように続けていくかも含めて考えていくことが大切です。

この記事では、これまでの教育に関わる経験をふまえながら、特別支援学校卒業後の進路について、自分自身の学びも整理する形で考えていきます。
まずは、卒業後の進路の全体像を見ていきます。

この記事で考えたいこと
  • 特別支援学校卒業後には、どのような進路があるのか
  • 進路を考えるときに、どのような視点が大切なのか
  • 「一番よい進路」ではなく「その子に合う進路」をどう考えるか

進路は「就職できるかどうか」だけではない

特別支援学校の進路を考えるとき、つい「就職できるかどうか」という見方になりやすいかもしれません。
けれども、実際にはそれだけで考えられるものではありません。

たとえば、働きたい気持ちはあっても、毎日決まった時間に通うことに大きな負担がある場合もあります。
人との関わりに強い緊張があることもありますし、体力面や生活リズムの安定が課題になることもあります。
反対に、作業の力は高くても、困ったときに助けを求めることが難しいこともあります。

そのため、進路を考えるときには、「働けるか、働けないか」という二つに分けるのではなく、その子に合った形で社会とつながり、生活を続けていけるかという視点が大切になります。

特別支援学校の進路は、その子の将来を狭めるためのものではなく、その子に合った道を一緒に探していくためのものだと感じます。

卒業後の進路にはさまざまな形がある

特別支援学校卒業後の進路には、さまざまな形があります。
よく耳にするのは一般就労ですが、それだけが進路ではありません。

企業などで働く一般就労のほかに、福祉サービスを利用しながら働く形もあります。
また、日中の活動を中心に生活を整えていく場につながる場合もあります。
さらに、進学や職業訓練など、その後も学びを続ける道を選ぶこともあります。

ここで大切なのは、どの進路が上で、どの進路が下ということではないということです。
周囲から見て分かりやすい進路であるかどうかよりも、本人にとって無理が少なく、継続しやすく、安心して力を発揮できるかどうかの方が大切です。

進路を考えるときには、「できるだけ一般就労へ」と考えたくなる場面もあるかもしれません。
もちろん、それが本人に合っていて、実現可能であれば大切な選択肢の一つです。
ただ、本人に合わない環境で無理を重ねるよりも、安心して通え、自分の力を発揮しやすい場につながる方が、その後の生活にとって意味のある進路になることも多いのではないかと思います。

学校はどのようなことを見ながら進路を考えているのか

保護者の立場から見ると、学校が何をもとに進路を考えているのかは分かりにくいことがあるかもしれません。
進路というと、作業学習の様子や実習先での評価が注目されやすいですが、学校はそれだけを見ているわけではありません。

たとえば、毎日継続して通えるかどうか、生活リズムがある程度整っているか、疲れたときに休み方を調整できるかといったことは、卒業後の生活に直結します。
また、指示を聞いて行動できるか、人と適切な距離感で関われるか、困ったときに相談できるかということも大切な視点です。

さらに、得意なことや苦手なことだけではなく、どのような環境なら落ち着いて取り組めるのかどのような支援があると力を出しやすいのかといったことも進路を考える上で重要になります。

本人の特性を単に「苦手」として見るのではなく、どのような場ならその子らしさを生かしやすいのかを考えていくことが、進路を考える上で大切なのだと思います。

「一番よい進路」ではなく「その子に合う進路」を考える

進路の話になると、「どの進路が一番よいのか」という見方になりやすいものです。
けれども、特別支援学校の進路では、その問い方だけでは十分ではないように思います。

大切なのは、本人が無理なく続けられること、自分なりの役割や居場所を感じられること、必要な支援を受けながら生活できることではないでしょうか。
周囲から見ると遠回りに見える道でも、本人にとっては安心して進める道であることがあります。
反対に、周囲からは望ましいように見える進路でも、本人にとっては負担が大きすぎて続かないこともあります。

進路を考えるときには、目の前の選択肢だけではなく、その先の生活も想像することが大切です。
卒業した後に、毎日通えるだろうか、困ったときに助けを求められるだろうか、安心して過ごせるだろうか。
そのような視点をもつことで、「どこに行くか」だけではない進路の見方ができるようになるのではないかと思います。

保護者と学校で一緒に考えていきたいこと

進路は、学校だけで決めるものでも、家庭だけで決めるものでもありません。
だからこそ、日々の様子を共有しながら、一緒に考えていくことが大切です。

家庭では見えている姿と、学校で見えている姿が異なることは少なくありません。
家では落ち着いていても集団の中では緊張が強いこともあれば、家庭では見せない頑張りを学校で発揮していることもあります。
そうした両方の姿を持ち寄ることで、よりその子に合った進路を考えやすくなります。

また、進路を考える時期になって急に結論を出そうとすると、本人にも保護者にも大きな負担がかかります。
早い段階から、どんなことが得意か、どんな場面で疲れやすいか、どんな支援があると安心しやすいかを少しずつ整理していくことが、進路選択の土台になるのだと思います。

まとめ

特別支援学校卒業後の進路は、単に卒業後の行き先を決めることではなく、その子がこれからどのように生活し、どのように社会とつながっていくかを考えることでもあります。

進路にはさまざまな形があり、どれか一つだけが正解というわけではありません。
大切なのは、周囲と比べることではなく、その子に合った形を考えていくことだと思います。

私自身も、特別支援教育に関わる進路について引き続き学びながら、一つずつ整理していきたいと考えています。
今後は、一般就労や就労継続支援A型・B型、生活介護など、それぞれの違いについても少しずつ整理していく予定です。

参考リンク
特別支援学校卒業後の進路の全体像を整理する際に参考にした外部記事です。

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